一般的に生理中は体調が不安定になることが多く、生理痛などに苦しむ人もいるため、安静にしておいた方が良いと考えている人は少なくありません。しかし、実は生理中に適度な運動を行うことには、生理痛を軽減させるなどのメリットも多いと考えられています。そこで、今回は生理中にランニングをすることのメリットやデメリットについてご紹介します。

もくじ

  • 生理中のスポーツは体に負担がかかる?
  • 実は生理中にランニングすることでメリットが!
  • 生理中にランニングをすることのデメリットは?
  • 生理中でも快適にランニングするための工夫とは?
  • 生理中のランニングで気を付けたいこととは?
  • 生理中は無理をしない範囲で楽しもう!

生理中のスポーツは体に負担がかかる?

「月経期間中のスポーツ活動に関する指針」(日本臨床スポーツ医学会産婦人科部会、2010年)によると、基本的には生理中であっても運動を制限する必要はないとされています。しかし、生理中は体がなんとなくだるかったり、腹痛や腰痛などの不快な症状に苦しむ方も多いでしょう。そのため、それらの症状がひどい場合は無理をせずに身体を休ませることを優先することが大切です。特に生理中は出血を伴うため、貧血気味になることが多いです。貧血気味の時にマラソンのような酸素を大量に消費する運動を行うと、心臓や体に負担がかかる恐れがあります。血流が筋肉へと集中してしまうことから、それにより気分が悪くなったり、立ちくらみを起こして倒れてしまうこともあるため、危険です。無理は絶対にしないようにしましょう。

もし生理中に有酸素運動を行うならば、ペースの速いマラソンやジョギングなどは避け、ゆったりとマイペースで楽しむことができるウォーキングやランニングなどがおすすめです。運動しながら会話を楽しむ余裕があるくらいの強度が適しています。また、酸素をゆっくりと取り込みながら行うことができるヨガもおすすめです。骨盤内の血流を良くしてくれるため、生理中に効果的です。一方で、水泳は出血時に外部からの雑菌が入る危険性があるため、避けた方が良いと考えられています。

実は生理中にランニングすることでメリットが!

生理中に適度な運動をすることにより得られるメリットはいくつかあります。まずは血行が良くなるという点です。生理中は腹痛や頭痛、腰痛などの生理痛と呼ばれる症状を引き起こす人が多いですが、生理痛は子宮収縮作用のあるホルモン「プロスタグランジン」の分泌が活発になることで起こる場合があります。また、生理中は骨盤周りの血液の循環が悪くなり、さらに冷えも加わることで生理痛がひどくなりやすいです。そのため、適度な運動を行うことで血行が良くなれば、生理痛の軽減につながりやすいと考えられています。生理中に取り入れやすい運動として、ヨガやストレッチが挙げられますが、下半身や骨盤周りを動かすランニングも生理痛の緩和が期待できるスポーツであると言えるのです。

生理中の適度な運動にはむくみを軽減させる効果も期待できます。生理中は体が水分をため込みやすい状態になるため、むくみを感じることがあります。ですが、運動によって筋肉を動かすことで体の血流が良くなるとむくみの改善にもつながります。ランニングは全身の筋肉を動かす運動であるため、むくみ対策としても適しています。また、生理中の運動にはリラックス効果もあります。特にランニング中は副交感神経が優位になるため、リラックスした状態になり自律神経が整う作用が期待できます。生理前になるとイライラしたり、憂鬱な気分になるなどの生理前症候群(PMS)に悩まされる人も多いですが、PMSでは精神面だけでなく体にも様々な不調が生じさせることがあります。そのような生理前のあらゆる心と体の不調を和らげるためにも、ランニングは気分転換として役立つとされています。

生理中にランニングをすることのデメリットは?

メリットがたくさんあるものの、生理中にランニングを行うことによるデメリットも当然あります。生理中にランニングを行うとナプキンがずれたり、下着がこすれるなどして肌トラブルの原因となることがあります。それと同時にムレやにおいが気になるという人も多いです。また、長時間ランニングを続けることで疲れてしまい、体調が崩れやすくなることがあります。出血を伴う生理中は貧血やめまいを起こしやすい状態であるため、長時間ランニングを続けることは避けた方が良いでしょう。生理中の体調は万全であるとは言えない状態です。そのような時にハードな運動を行うと体にストレスがかかりやすく、かえって女性ホルモンのバランスが乱れやすい状態になることが予想されますので気を付けましょう。

生理中でも快適にランニングするための工夫とは?

生理中のランニングを快適に行うために、工夫できる点がいくつかあります。大会などの参加予定があらかじめ分かっている場合は、低用量ピルを服用することも一つの方法です。低用量ピルを服用することで、生理の予定をずらすことが可能です。生理の予定をずらすことは生理周期をコントロールすることになるため、抵抗があるという人も少なくないでしょう。しかし、大会にベストな状態で臨むためには、低用量ピルを使用して生理をずらすことも有効な手段です。低用量ピルを使用する際は、専門医に相談して適切な指導を受けることが大切です。

生理中のランニングを行う時に便利な生理用品も多数あります。体を動かすことでナプキンが擦れて起こる肌トラブルを防ぐためには、ずれにくい羽根付きの大きめのナプキンを選ぶようにすると良いでしょう。大きめのナプキンを使用するとごわつきが気になるという人は、スリムタイプのナプキンも多数販売されていますのでおすすめです。運動中は汗をかくことが多く、蒸れやすい状態となるためナプキンはこまめに変えるようにしましょう。

大きめのナプキンを使用していても経血の漏れなどが不安という人は、サニタリーショーツやタンポンなどを併せて使用するのがおすすめです。また、月経カップと呼ばれる生理用品も近年人気があります。月経カップはタンポンと同様に膣内に挿入して使用します。膣内でカップに経血を溜め、溜まったらトイレに流します。カップは洗って何度でも利用することができます。月経カップは長時間連続して使用することができること、経血のにおいが気にならないこと、外部から分からないなどのメリットが多いため、生理中にランニングを行う人が使用するのに適している生理用品です。生理痛の緩和にはエルペインコーワ(イブプロフェン)、ロキソニンS(ロキソプロフェン)、バファリンA(アスピリン)が有効です。これらの薬は薬局でも手軽に購入することができますが、購入の際には薬剤師に相談するようにしましょう。
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生理中のランニングで気を付けたいこととは?

生理中にランニングを行う際には、気を付けなければいけない点があります。まず、ウォーミングアップはしっかりと行うようにしましょう。特に涼しい季節は体温が低いことが多いため、念入りに行う必要があります。また、長時間のランニングは控えましょう。生理中は貧血を起こしやすくなったり、ホルモンバランスの乱れなどを起こしやすいため注意が必要です。ランニング中にめまいや立ちくらみ、吐き気などを感じたら無理をせずに中断するようにすることが大事です。あくまでも体が疲れない程度のランニングにするというのを意識しましょう。ランニングの後は汗をしっかりと拭くようにして体を急激に冷やさないように注意します。水分補給をこまめに行うことも忘れないようにしましょう。

生理中は無理をしない範囲で楽しもう!

生理中は体調が万全でないことが多いため、ランニングを控えた方が良いと考える人もいます。しかし、実は運動を行うことで得られるメリットもあります。生理中にランニングを行う際に便利なグッズなども多数あり、それらを活用することで快適に過ごすことが可能です。自分の体調と相談しながら、無理のない範囲で楽しむことが大切です。

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