農業とスポーツ。一見かけ離れていると思われるこの二つが、近年コラボレーションする機会が増えてきています。実は、高齢化に悩む農業界と地域に根ざしたクラブ作りを目指すスポーツチームは相性抜群なのです。実際の事例を紹介しながら、農業×スポーツの未来を考えていきます。

もくじ

  • スポーツクラブと農業のマッチング
  • 高齢化社会にも活躍!スポーツと農業の両立とは
  • オランダでは、介護と農業をイコールと考えている。
  • かなりハードなトレーニング!スポーツ選手の農業
  • 農業のイメージを払拭するチャンス

スポーツクラブと農業のマッチング

福岡県に、『一般社団法人フレッサ福岡』というハンドボールクラブがあります。このクラブでは、スポーツと農業を上手くマッチングさせたビジネスモデルを形成しています。

農家の高齢化が進む中、どうにか若い人に農業を引き継ぎたい。そういった思いがありました。しかし、若者は地方から都心に仕事をするために出ていってしまいます。そんな過疎化が進む中、地域に根ざしたクラブチームがありました。それがフレッサ福岡です。福岡名産『とちおとめ』を、フレッサ福岡の選手が栽培し、それを販売までしているのです。

若者が農業に参画するきっかけとして、地域に根ざしながら、選手達それぞれが農業で利益を得るというもの。選手側は、クラブの活動をしながらも、活動資金が欲しい。農業側は、若い人員が欲しい。要するに、お互いに必要なことを補いあうことで相乗効果を上げるというWIN – WINのビジネスモデルなのです。

全国にアマチュアクラブは多く存在します。スポーツクラブというのは、地域に根ざすことを目的とした活動理念があります。このフレッサ福岡のように、若い人材が農業に携わることで、農業への価値観も変化していくことが期待できますし、何よりスポーツと農業という、共通の「地域に根ざす」ことがマッチングしているので、農業の継承にも繋がる事が期待できるのです。

参考:福岡フレッサ公式サイト
http://fresa-fukuoka.jp

高齢化社会にも活躍!スポーツと農業の両立とは

高齢者が健康維持のために、日常的にウォーキングや体操を行うことは主流ですよね。しかし、ただ健康のために運動するということだけでは、しんどくなってやめてしまい、継続できないという問題も多いのです。

そんな中、農業で運動をしよう!という取り組みが行われてきています。都心のデイサービスでは、庭の畑をみんなで管理していくことで、足腰を鍛えたり、腕の筋力を鍛えたりすることができます。また、作物を収穫するというモチベーションがあるため、やりがいもありますし継続性もあります。

オランダでは、介護と農業をイコールと考えている。

欧州の中で、最も介護医療が充実しているオランダでは、“農場ケア”という取り組みがされています。農場ケアとは、認知症患者が野菜や果物など農作物の育て方を学び、それを自然環境の中で生活しながら育てることで、脳が活性化するというものです。その効果が認められ、認知症の進行を遅らせる効果があると注目されています。農業は脳の活性化にも効果がありますし、衰えてしまいがちな筋力も鍛えられるので、骨や体を丈夫にしてくれます。

農家の高齢者が元気な理由は、こういった日々の農業の取り組みから、自然と体を動かすスポーツの代わりになっているのです。

かなりハードなトレーニング!スポーツ選手の農業

実際に、農業はスポーツよりもハードな部分があると言われています。現役トップアスリートが農業をやると、途中でヘトヘトになってしまったり、何十キロもの収穫かごを、何往復も運ぶことなんて毎日あるため、トップアスリートでもハードな作業です。

しかし、このようなハードな農業をしていると、筋力が鍛えられ、試合のパフォーマンスにも影響してくると言われています。そのため、スポーツ選手にとって、農業というのはぴったりとも言えます。

また、スポーツ選手は食にもこだわるため、農家直送の新鮮な野菜を食べられるということは健康にも、体調管理にも最適だと言われています。

農業のイメージを払拭するチャンス

これまで、農業とスポーツの可能性に触れてきましたが、とは言っても、まだまだ農業をしたい!という若者は少ないのが現実です。でも、実は農業そのものを始める事はすごく簡単なのです。家庭菜園からでもできますし、ちょっとした庭やベランダさえあれば、誰でも始める事ができます。

そうやって、今の自分ができる範囲からスタートする事で、今やっている仕事とコラボができないか?というアイディアが湧いてきます。

実際に、スポーツ選手が農業を行う事例は増えてきています。
『高知ファイティングドッグス』という野球チームでは、選手たちが説教区積極的に農業活動に取り組んでいます。選手が農業活動を行うことで、その地域の人たちが野球は知らなくてもファイティングドッグスの選手を知るきっかけにつながります。

また、スポーツ選手のイベントとして、子供たちに農業を体験させることで『食育』も提供しています。農業体験を通して、スポーツの普及にもつながりますし、スポーツを通す事で、子供たちや未来の若い世代に農業を知ってもらう事が期待できます。

スポーツを見て、応援する若者は、非常に多いです。その憧れのスポーツ選手が農業をやりながら選手もやっているという形を、ひとつの選択肢として認知してもらえるようになれば、今後、農業とスポーツは一緒に相乗効果を得られるパートナーともなり得るはずです。

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