スポーツクライミングは、自分が挑戦しても観戦しても楽しめるスポーツです。日本には複数のスポーツクライミング施設があり、数多くの大会が開催されています。ここでは、いくつかの主要な大会をピックアップして、その楽しみ方や観戦するときのマナーについて解説するとともに、日本を代表する2人の女子選手を紹介します。

もくじ

  • 日本で開催されているスポーツクライミングの主な大会
  • スポーツクライミングの有名選手とは?
  • スポーツクライミングを観戦するときの注意点
  • 知っておくとさらに楽しい!観戦のポイント
  • よく大会が行われる日本の会場はどこ?
  • スポーツクライミングを知って楽しもう

日本で開催されているスポーツクライミングの主な大会

日本で開催されているスポーツクライミングの主な大会は、コンバインドジャパンカップ・ボルダリングユース日本選手権倉吉大会・リードユース日本選手権印西大会・リードジャパンカップの4つ(すべての大会に男子と女子の部がある)です。コンバインドジャパンカップは、愛媛県西条市にある石鎚クライミングパークSAIJOで5月下旬に開催されます。出場資格は、オリンピック強化選手であること・前年の国際大会に派遣されていること・前年のユース強化選手であることといった厳しい条件が設定されているため、日本を代表する実力者が揃う大会として注目されています。コンバインドジャパンカップは複合で競われる大会です。複合というのは、リード・スピード・ボルダリングといった、スポーツクライミングの種目をすべてこなすことです。順位は3種目の合計得点で決定します。

ボルダリングユース日本選手権倉吉大会は、鳥取県倉吉市にある鳥取県立倉吉体育文化会館で5月下旬に開催されるユースとジュニアの大会です。出場できるのは、公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSCA)に登録されている11歳〜19歳までの選手たちです。定員を超えた場合は、日本代表クラスの選手へ優先的に出場資格が与えられます。試合は、年齢別に区分けされたそれぞれのグループで競い合います。ボルダリングユース日本選手権倉吉大会は、近い将来にシニアで活躍することが期待される選手が見られるといった点で、注目の大会の1つです。

リードユース日本選手権印西大会は、千葉県印西市にある印西市松山下公園総合体育館で3月下旬に開催されます。参加資格は、JMSCAに選手登録している11歳〜19歳の中で、JMSCAが設定した最低グレードに達している選手たちです。定員を超える場合は、日本代表クラスの選手が優先的に参加できます。こちらも、日本のホープたちの戦いを見られるのはもちろん、10mを超える壁を時間をかけて登っていくおもしろさが味わえる大会でもあります。

リードジャパンカップは、3月上旬に千葉県印西市にある印西市松山下公園総合体育館で開催される大会です。出場できるのは、リードジャパンカップの優先出場権保持者とJMSCA公認予選競技会通過者です。国内のリード王者を決める大会であり、ワールドカップの選考会も兼ねていることから、レベルの高い戦いが見られる大会として知られています。ちなみに、2020年に開催予定の東京オリンピックでは、スポーツクライミングが正式種目として採用されることが決定しています。

スポーツクライミングの有名選手とは?

スポーツクライミングの有名な選手は、野口啓代選手と野中生萌選手です。野口啓代選手は、国内外の大会で数多くの優勝経験を誇る、日本を代表するトップクライマーです。クライミングを始めた1年後には全日本ユース選手権で優勝、2008年にはボルダリングワールドカップで日本人女性初のチャンピオンに輝いています。その翌年の総合優勝を含めて、4回の年間総合優勝と計21回のワールドカップ優勝という実績を築いています。2018年に開催されたコンバインドジャパンカップで優勝し、アジア競技大会で金メダルを獲得したことで、2020年東京オリンピックでも金メダルが期待されている選手です。

野中生萌選手も、国内外の複数の大会で優勝している日本を代表するトップクライマーのひとりです。9歳でクライミングを始めた野中生萌選手は、16歳のときに初めて日本代表となり、その3年後にはボルダリングのワールドカップで優勝を果たします。同年のミュンヘン大会でも優勝したことで、世界ランキングが2位に上昇。その後も順調に成長し、翌年のチャイナオープンでは複合に参戦してボルダリングで優勝しただけでなく、リードとスピードでも入賞(7位と6位)しています。複合でも強さを見せたことで、3種目で競われる2020東京オリンピックでの活躍が期待されています。

スポーツクライミングを観戦するときの注意点

スポーツクライミングを観戦する際にはマナーに注意する必要があります。たとえば、屋内で行われる場合には、会場内は土足厳禁です。下駄箱もないことが多いため、上履きや脱いだ靴を入れておく袋を持参してください。また、役員や選手以外の競技エリアへの立ち入りは厳しく制限されています。子ども連れの場合は、子どもがあやまって競技エリアに立ち入ることがないよう、特に注意が必要です。この他にも、観客による競技の撮影は禁止されていることが多いため、撮影したい場合は、事前に係員に確認するようにしてください。

知っておくとさらに楽しい!観戦のポイント

スポーツクライミングには、リード・スピード・ボルダリングといった3つの種目があります。リードは、ロープを装着したうえで10数メートルの壁に設定されたコースを登っていく競技で、その到達高度によって順位が決定します。壁に装着されたホールドと呼ばれる突起物を頼りに登っていきますが、あらかじめ指定されたホールドだけしかつかんだり足をかけたりできません。
ただ、「足フリー課題」の場合は、足だけは自由にホールドを選択できます。ちなみに、スポーツクライミングの中で、最も歴史のある種目がこのリードです。ボルダリングは、制限時間内にボルダーと呼ばれるコース(壁の高さ5m以下)をいくつ登れたかを競う競技です。落下した場合は、制限時間に達するまでなら何度でもトライすることができます。
また、クリアしたボルダーの数が同じであった場合は、このトライ数が少ない選手が上位となります。スピードは、ふたりで同時にスタートしてタイムを争います。高さ10〜15mの壁には同じ位置にホールドが設定されていて、競技者はロープを装着したうえで一気に駆け上ります。他の2つの種目にはないスピード感が魅力の競技です。

よく大会が行われる日本の会場はどこ?

スポーツクライミングの大会がよく行われる会場は、愛媛県の石鎚クライミングパークSAIJO・鳥取県の鳥取県立倉吉体育文化会館・千葉県の松山下公園総合体育館の3カ所です。

石鎚クライミングパークSAIJO

愛媛県の石鎚クライミングパークSAIJOは、3つの種目(ボルダリング・リード・スピード)すべての壁を備えた、国内でも有数のスポーツクライミング施設です。2018年5月には、日本オリンピック委員会(JOC)から、スポーツクライミング競技別強化センターの認定を受けています。コンバインドジャパンカップの会場としても知られていますが、ふだんは一般の人が気軽に利用できる施設でもあります。
石鎚クライミングパークSAIJOの詳細はこちら

鳥取県立倉吉体育文化会館

鳥取県立倉吉体育文化会館は、3種目すべての壁を備える施設です。鳥取県では、倉吉市を「スポーツクライミングの聖地」とすることを目指して施設の充実に努めていて、2017年には、国内で初めて日本オリンピック委員会(JOC)から、スポーツクライミング競技別強化センターの認定を受けました。また、2018年には、国内で16年ぶりとなるアジア選手権が開催されています。鳥取県立倉吉体育文化会館の3つの壁は、国際スポーツクライミング連盟の検査にも合格していて、世界基準のクライミングコースがある施設として知られています。一般の人が世界レベルの壁を体感できる国内でもまれな施設です。
鳥取県立倉吉体育文化会館の詳細はこちら

松山下公園総合体育館

千葉県の松山下公園総合体育館は、メインとサブの2つのアリーナの他に、武道場と弓道場を兼ね備えた施設です。スポーツクライミングの壁は、メインアリーナの2Fに設営されています。また、2019年には、リードユース日本選手権と、国内で最も歴史のあるリードジャパンカップが開催された施設でもあります。
松山下公園総合体育館の詳細はこちら

スポーツクライミングを知って楽しもう

スポーツクライミングは屋内で気軽に観戦できるスポーツです。競技に使われる壁と観客席との距離が近いため、選手を身近に感じられるのもスポーツクライミングの魅力の1つです。また、日本を代表する有名選手の名前と顔や、基本的なルールを調べてから観戦に行けば、よりいっそうスポーツクライミングを楽しむことができます。

競技についてさらに詳しく説明した記事もありますよ♡ぜひ、こちらの記事もチェックしてくださいね♪
【オリンピック正式種目♪ボルダリングを含むスポーツクライミング3種目をご紹介】の記事はこちら

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